コラム

2003/05/28

儲からねぇ(本・MM)

2003.05.28 【働かにゃ、儲からねぇ】

▼とある建設資材月刊誌の編集後記「編集机雑感」に、同誌の編集中堅幹部のつぶやきを目にした。「どうしたら読者に喜ばれ、たくさん売れる本をつくれるのか」と。販売のコツを知ったベテランがいなく、試行錯誤の連続のうちに、ふと経営の神様・松下幸之助の『雨が降れば傘をさす』という経営の秘訣に出くわしたそうだ

▼「経営とは当たり前のことを当たり前にやることに尽きる」と理解したものの「その時々の状況に応じた『当たり前』が何なのか、なかなか分からないのが泣けるところ」と締めくくっていた。会社の中堅ともなると、編集業務におかまいなしに、数字にうなされる。「いかにしたら目標数字を達成できる」と

▼徳島県のある山村での話。村の90%が山。これといった産業はない。一段と進む高齢者には急斜面の野良仕事はきつい。しかし、村には料理の見映えに添えるモミジなど数多くの木々の葉だけは豊富にあった。これが最近、都内などのホテルで爆発的な需要を引き起こし、高齢者の収入源になっている。仕事に精を出す村の健康達者が言う。「やっぱり働かにゃ、儲からねぇ」

▼また、時代小説作家になる前に代理店の営業マンをしていた山本一力氏は、営業時代に「相手の会社の役に立つこと」に全力を尽くし、作家デビュー後は「読者に満足してもらえる面白い内容」に注意を払ったから今の自分が成功したと言う

▼4月決算企業の数字が連日経済面を賑わしている。この目標とする数字は正直過ぎるほどに怖い。やればやっただけ素直にこちら側に跳ね返ってくるのが数字。「やっぱり働かにゃ、儲からねぇ」。(本・MM)

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