コラム

2003/06/28

阪神のメイク・ドラマ(前・HI)

2003.06.28 【阪神のメイク・ドラマ】

▼今年4月から、ある県庁の部長に昇進した人の話だ。その人は、学歴・人望・仕事能力等に優れ、知事の信任も厚い生え抜きの新任部長だ。その部長にインタビューで趣味について聞くと、その答えは「プロ野球観戦」だった

▼多忙を極め、休日が取れない部長にとって今、プロ野球観戦が唯一のストレス解消法であり、仕事以外で最も関心があるものの一つなのだそうだ。聞くところによると熱心な読売ジャイアンツ(巨人)ファン。原監督や篠塚・吉村コーチなど、現首脳陣の現役時代は言うまでもなく、V9時代を実体験している

▼その部長の表情が晴れない。その原因と言えば、セリーグで首位を独走している阪神タイガースの活躍だ。バランスの取れた戦力は他の11球団からも羨望の眼差しが注がれている。阪神は、昨年失速した例もあるので、阪神ファンは「絶対優勝できる」と口では言っても(まだ、どうなるかわからない)と思っていのが実態ではないだろうか

▼プロ野球界の1996年は、いわゆる「メイク・ドラマ」のあったシーズンだ。セリーグでトップに立っていた広島カープとのゲーム差は、最大で11・5ゲームに開いていた。しかしこの年、セリーグのペナントレースを制したのは巨人だった。この戦いぶりを時の監督・長島茂雄氏が「メイク・ドラマ」と命名、ファンをはじめ多くの人がその感動に酔った

▼そして今シーズンのメイク・ドラマだ。「ミラクル・アゲイン」の巨人のことをここでは言っているのではない。トップを走っている阪神のメイク・ドラマだ。阪神はこれから、どのようなドラマを私達に見せてくれるのか期待した。(前・HI)

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