コラム

2003/06/11

CADと先陣達(さ・YW)

2003.06.11 【CADと先陣達】

▼京都の神社・仏閣などを駆け足で回った。修学旅行ではまさに回っただけであり、ガイドの話しなどは聞いていない。もちろん、パンフレットなどはバスの中に置いて見てもいなかった。今回は、当時の罪滅ぼしの意味もあり、しみじみと見学

▼京都は古代から近代、現代にかけて美術、建築、造園技術などあらゆる日本文化の凝縮されたところだ。例えば、美術で言うと、6世紀前半に百済から仏教が伝わると、広隆寺の弥勒菩薩像がうまれた。時代が進んで優美で華麗な浄土教の美術が、また、雪舟の水墨画、近代絵画のさきがけとなる狩野派など宗教と密接につながった美術が育成されてきた

▼そんな中でも、高さ57?の五重塔で有名な東寺は圧巻である。794年平安遷都の年に創建された。今の時代ならともかく、その当時あれほどの美しい彫刻技術とあの高さまでどのように積み上げたのか。今なら安全対策として「手摺先行足場」などといった技術があるが、当時はあるはずはないのだがと首をかしげたくなる

▼また、もう1つ不思議でならないのは、二条城の石垣の石の大きさだ。あの大きさの石はどこに存在し、それを建設した当時どうやって二条城まで運んだのか。当然、ダンプカーなどはない。いずれにしても力や心を合わせ、強いリーダーシップがなくてはできない仕事である

▼量ではなく真に質だけに拘った時代。量を優先したバブル期に何が残ったろうか。パソコン、CAD、CGなど現代のあらゆる事業に必要とされる最新設備のない時代だ。あれだけの大事業を手掛けた先人達に頭が下がる。新しい時代の「いい仕事」が求められる。(さ・YW)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら