コラム

2003/06/27

若者の体力と健康(水・KK)

2003.06.27 【若者の体力と健康】

▼最近の若者は体は大きくなったが体力は低下したとよく言われる。確かに戦後急に日本人の体格は立派になった。戦争を境に食生活の改善をなど生活水準の向上によるものだ

▼文部科学省が毎年、小学生から高齢者まで約7万人を対象に行なっている「体力・運動能力調査」によると青少年(6〜19歳)では50m走、持久走、立ち幅跳び、ボール投げ、握力など基礎的運動能力が過去20年、年々低下している。成年(20〜64歳)では緩やかな低下傾向。65歳以上になると低下の度合いは軽微だった。若年層ほど体力低下が著しい

▼『産業医が診たビジネス社会』という本がある。某大手電機メーカーの嘱託医として35年間にわたり社員の健康管理に努めてきた著者の市野義夫医師によると、1980年代末から2、3年の間同社が採用した新卒社員のうち、成人病の所見の全くなかった人は48%しかいなかった。高血圧のピークが28歳というのも驚きだ。買い手市場の優良企業でさえ健康に全く問題のない若者を半分しか集められないのだろうか。しかも10数年前のデータである。現在の一般的若者の健康水準は推して知るべしといったところか

▼さらに市野医師は高度経済成長が始まる昭和35年以前と以後に生まれた日本人では、別の人種といっていいほど体質が変わっていると断言する

▼日本は世界一の長寿国で年々平均寿命は延びている。しかし現在、平均寿命を延ばしているのは今よりもはるかに不便な環境に生まれ育った明治・大正生まれの人々ということを忘れてはなるまい。日頃の運動不足の解消と生活習慣の見直しが急務だ。勿論我々も、である。(水・KK)

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