コラム

2003/07/03

本質見抜いた味噌色(長・YK)

2003.07.03 【本質見抜いた味噌色】

▼私事で恐縮だが、我が家の味噌は妻の好みから白味噌を使っている。銘柄が決まっているわけではないが、白ければ白いほどおいしいと考えているようで「料理によっては赤味噌の方が美味しいのに」と私が言っても聞いてくれない

▼ある日の昼下がり、5歳の娘と近所の公園に散歩に出掛けた。公園の方から髪の毛を金色に染めた若いカップルが歩いて来る。外人のようにみえるのだが。筆者の家は基地が近いので外人が多く、茶髪や金髪は珍しくない。その2人を見て5歳の娘が突然「父さん見て!髪の毛、味噌色」と大声で指差した

▼あまりに突然だったのと、言っている意味が分からなかったので、とにかく2人を指している小さな指をつかみ、しゃがみこんで「なぁ〜に?」と聞き返すと「あの人たち髪の毛が味噌色だ。顔は日本人なのに外人かな」と首を傾げている。幸い2人には、娘の言葉が聞こえなかようだ

▼「あれは味噌色じゃなくて茶髪って言うんだよ。茶色だろ」と言うと、「あれは味噌色だよ」と譲らない。振り返って若いカップルを見てみたら、確かに家の味噌と同じ色だ。「そうか、あれは味噌色だね」と私が言うと「駄目だね父さんは!物は良く見なきゃね」といつも私が姉たちに言ってることを言われてしまった

▼言い尽くされた言葉だが、物を良く見、考えて本質を見抜くことは大切なことだ。何年も変わらず(変えず)に過ごしていると、物事を正確に見ることすらできなくなり、考え方も凝り固まってしまう。悲しいかな人間のサガなのだが、子供のような柔軟かつ純粋な思考と判断が必要な時代になってきていると感じた。(長・YK)

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