コラム

2003/07/04

「りそな」の安全宣言(本・MM)

2003.07.04 【「りそな」の安全宣言】

▼赤字企業にも税負担を求める外形標準課税が来年度から導入される。外形標準課税とは黒字、赤字といった企業経営の中味でなく、企業の外形、つまり規模を基準に税を課す課税の仕方をいうもので、資本金が1億円を超える企業を対象に法人事業税に導入される

▼その外形標準課税の導入に加え、東京都は来年度に都立銀行を創業する。貸し渋りや貸しはがしにあえぐ中小企業の救済が狙いのようだ。大手銀行は担保なしには決して融資はしないが、都立銀行は、潜在能力が高く技術力のある中小企業には無担保でお金を貸してくれると聞く

▼大手銀行も赤字決算が続く。りそなグループに2兆円近い公的資金が投入されたが、前身の旧あさひ、旧大和両行にも1兆円強の資金が注入されたものの改善できなかった。今回で本当に何とか「なりそなのか」それとも「むりそなのか」は国民の知るよしはないが、りそな銀行に続き他銀にも注入が「ありそなのか」は否定できない

▼金融庁は今回の注入でも「破綻でなく再生」を理由に投入を決めたと強弁したが、本当に経営改善は大丈夫なのか、過去の事例があるだけに国民の不安は拭えない。戦前、経営者は銀行の資材を投げ売って資金に充てたというが、いまや公的資金にすがるだけしか生き延びる手立てはないらしい

▼いつ出るのか銀行の安全宣言。また「やりそな」になったら行政責任は免れまい。不健康な銀行が多い中、都立銀行は設立されるのであろう。貸し先は第3セクターなどの身内が優先にならないよう望みたいが、外形標準課税は自分の銀行からも取るんでしょうね。きちんと見極めたい。(本・MM)

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