コラム

2003/07/12

地下空間に夢を求めて(さ・YW)

2003.07.12 【地下空間に夢を求めて】

▼子供のころ、恐らく20年後、30年後の夢や社会はどうなっているかといったテーマで、想像上の最大の夢を画用紙等に書いたことがある方は多いはず。それぞれ、思い出してみたい

▼筆者は、高いビルディングが天高く空を突き抜け、空中都市ができて、地下も快適なオフィスが存在し、地下鉄も新幹線並みのスピードを持つことなど精一杯の想像を働かせたものだ。あれから多くの時間が経過し、わが国の技術と勤勉性が現代の繁栄と生活をもたらせてくれた

▼しかし、まだあまり実現化していないこともある。それは、地下部分の利用だ。かつて思い描いていたことは、地下街が多く単純に整備されるということではなく、オフィス、緑豊かな地下空間、人々の交流の場所として何でもそろう地下空間だったように思い出す。もちろん、小学校低学年では規制の法律などといった堅いことはまったく考えてもみなかった。地下空間整備には予想も付かない法律的な壁があった。さらに、日本人のメンタリティーも影響しているとは知らなかった

▼ここ2、3年で大深度地下空間の利用促進とその適用地域を選定する動きがようやく本格化している。しかし、その地下空間の利用は下水道、ガスなどの生活インフラが主で、人間が居住するなどといった利用ではない。やはり地下への安全性への危惧がそうさせているとも言える

▼過日、カナダのモントリオールの地下は運動施設、温泉、郵便局、教会、32キロの街路の整備があると放送していた。郊外に町を伸ばすより市街地にという考えが地下に向いたらしい。わが国も大いに見習い、実現化したいものである。(さ・YW)

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