コラム

2003/07/24

平和を祈る鐘が鳴る日(甲・SA)

2003.07.24 【平和を祈る鐘が鳴る日】

▼夏の日差しが強くなると、防災放送のスピーカーから重い鐘の音が鳴り響く。昭和20年7月6日に、山梨県甲府市は、太平洋戦争時、空襲に遭遇、甲府市の約8割が壊滅状態となり、たくさんの尊い命が犠牲となった

▼この時期は、梅雨の豪雨で空は思う存分大泣きする。大気汚染などの公害が無縁だった半世紀以上昔の空は今よりもきっと青々としていたことだろう。そんな晴れやかな陽気と合わせて鳴る鐘の音は、空襲により犠牲となった人々に黙祷を捧げるとともに、空襲の残酷さと悲惨さを訴える

▼筆者は昭和40年代後期の生まれのため空襲の恐怖を知らない世代だ。そのため戦争の悲惨な現実をテレビやラジオなど報道でしか知り得ていない。逆に戦争を体験している世代は年々少なくなっているのも現実だ。私達は、その体験を語り継いでいくことが大切となっている。決して忘れてはならない現実だから

▼そうした中で国会は自衛隊のイラクに派遣を可能とする「イラク復興支援特別措置法案」を成立させようとしている。あくまでも支援策としているが、今後の日本にとって将来的な不安を残すような法案はなんとしても避けてほしいものだし、許しては成らない国民のスタンスを明確にしなければならないだろう

▼これから先、幾度も黙祷を捧げる鐘の音を耳にすることだろう。経済戦争の関心も大切だが、殺伐とした本当の戦争は絶対に回避しなければならない。今日、世界に影響力を持つようになった日本は、戦争による物であっては成らない。忘れてはならない。今後平和で安心して暮らせる環境を後世に残す事が出きるのは我々国民だが。(甲・SA)

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