コラム

2003/07/30

隔靴掻痒/かっかそうそう(甲・EO)

2003.07.30 【隔靴掻痒/かっかそうそう】

▼関東地方整備局と管内建設業協会との「公共工事の入札契約等の改善に向けて」の意見交換会での一場面。渡辺局長が「今日は、かなり本音に近い意見も聞けて良かった」と交換会を総括したのに対し、ある県の協会長が「隔靴掻痒」と切り返し、満場を沸かせたという

▼隔靴掻痒(かっかそうよう)とは「靴を隔てて痒(かゆ)い所をかくように、思うようにならなくて非常にもどかしい」という意味の4字熟語。窮状に立たされている業界の意見に対しての行政側の考えが、必ずしもかみ合っているわけではないとの意向を本音で表したもの

▼意見交換会は、国、地方、業界の3者が率直な意見を出し合うことで「入札契約適正化の徹底のための方策」について、発注者と受注者がお互いにパートナーとして一体となって諸課題の改善に取り組むことを目的に毎年開かれている。今年も千葉県を皮切りに6月から7月にかけ1都8県でそれぞれ開催された

▼公共事業は、官民が車の両輪となり推進するもの、とは一つの定義ともなっている。工事請負契約約款にも、発注者と請負者とは、おのおの対等な立場において、日本国の法令を遵守して、互いに協力し、信義を守り等々とある。しかし、発注する側と受注する側が本当に対等なのかと言えば、疑問もある。

▼特に、昨今の需給のバランスが大きく崩れた状況下では、突如とした一方的な制度変更などが日常化してはいないだろうか。公共工事の最終的な受益者は国民である。その国民に末永く安心して利用してもらえる公共事業とはなにか、という視点での発注者・受注者の意志疎通が一層求められるところだ。(甲・EO)

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