コラム

2003/08/07

「経済相を更迭」との声(甲・EO)

2003.08.07 【「経済相を更迭」との声】

▼「この非常時に学者大臣の講釈を聞いている場合か。竹中平蔵経済相を直ちに更迭せよ」。自民党の堀内光雄総務会長は、月刊誌7月号でこのように突き上げた。堀内氏は、平成10年の通産大臣時に長年の経営者のカンを働かせ、石油公団の税金の無駄使いを自らの調査で解明し、特殊法人改革の第1号として同公団を廃止させたことでも知られる

▼先に発表された昨年度の我が国GDP(国内総生産)は、500兆円を割り込み、ついに499兆円に。また、年度を通じての成長率もマイナス0・7%と2年連続の落ち込みを記録した

▼竹中大臣になって以来、現実にGDPは、この2年間に13兆円も減少し、税収も同じく10兆円も落ち込んだ。日本経済は2番底が抜けてしまい、いまだかつて経験したことのない、未知の恐るべき局面に突入したのではないか。経済が現状のように疲弊して、GDPは縮小し、税収が減少しては改革もできなくなるのではないかと恐れる

▼その上で、経済の活性化と改革は矛盾するものではない。改革路線を堅持しながら今こそ、経済政策を転換し国民に希望をもたせる時とし、今や「お題目の改革」では済まなくなっている、と主張したもの

▼政府は特別扶養控除を廃止したり、健康保険料の引き上げ、給付の削減による社会保障の弱体化など、弱いものいじめばかり。総裁選を前にいささかキナ臭さはあるが「希望を失いかけている地方経済、中小・零細業者に、明日に向かって事業を展開していこうという意欲を持ってもらえるか否かが今後の日本経済の鍵」と説く。同氏の主張には大いに共感する人も多いに違いない。(甲・EO)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら