コラム

2003/08/08

カッコウは要らない(長・YK)

2003.08.08 【カッコウは要らない】

▼小学校の頃に習った輪唱歌に『静かな湖畔』という曲がある。歌詞は『静かな湖畔の森の影から、もう起きちゃいかがとカッコウが鳴く。カッコウ、カッコウ…』。カッコウは夏告げ鳥と呼ばれ、初夏に東南アジアから繁殖のために日本に渡ってくる

▼ところでこのカッコウ筆者の寝ている部屋の窓から手が届くような電柱で、朝5時頃から『カッコウ、カッコウ』と鳴く。遠くで鳴いている時は、きれいな鳴き声だなどと風流にしていたが、5mも離れていないところで『カッコウ、カッコウ』とやられたら、たまったものではない。毎日のように朝5時頃から枕元で鳴かれるとさすがに頭にくる

▼何度追い払っても翌日にはまた、朝5時頃から鳴き始める。追い払うために、窓を開けても直ぐ逃げるわけでもなく、こちらの様子を窺っている。こちらが釣り竿などを手に持ったの確認してから、やおら飛び去るのである。休みの日ぐらい寝坊したいのだが、鳥に平日も休みもないので始末が悪い

▼カッコウは托卵(たくらん)という習性を持っていて、人間からみたら非常にずる賢い奴という印象がある。自分の卵をオナガやオオヨシキリなどの巣に生んだら、さっさと逃げて、最も重労働な子育てという仕事を他人に押しつけ子孫を増やしていく

▼建設業界にもカッコウの托卵ようなことをする輩がいるようだ。技術者もいないのに公共工事を落札し、肝心な施工は他人にやらせる。カッコウは盛夏とともにどこかに行ってしまうが、彼らはずっと市場を荒らし続ける。次第に業界そのものが疲弊していくのだ。鳥ならまだしも、建設業界にカッコウは要らない。(長・YK)

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