コラム

2003/08/13

目先よりも内容そして結果(水・KK)

2003.08.13 【目先よりも内容そして結果】

▼いささか長過ぎた梅雨も終わり夏本番である。海に山にと遅れてやって来た夏を満喫しようと大変な人出だが、受験生にとっては梅雨寒も猛暑も関係なく自分との戦いが続いている

▼私事で恐縮だが、中2の娘が今、進学塾の夏期講習に通っている。娘にはいつも点数や偏差値、順位よりもいかに理解しているかが問題と言い続けている。「勉強の基本は分かっていることと分からないことを区別すること。間違った問題をノートにつけてできるようになるまで復習しなさい」ー30年前、数学のG先生に言われた言葉がいまだに忘れられない。そしてその通りにしなかった後悔も

▼マサカリ投法で知られる往年の剛球投手村田兆治さんは自分を客観視してきた強い人だった。ピッチャーにとって一番うれしいのはやはり勝ち星だ。それがラッキーでも棚ぼたであっても勝ちは勝ち。しかし村田さんは勝ち星の内容を検討し、打線の援護や相手のミスで得た星は自分自身の成績表からはずすといった厳しい査定を自らに課していた

▼プロ野球史上最多の3度の三冠王に輝いた落合博満さんは打撃に対して楽天的に考える。たいていのバッターはコンスタントに毎試合1〜2本ヒットを打ちたがるが、彼は10打数、100打数と人よりも長い目で計算する。最初に失敗しても、心理的にあせってプレッシャーになるか前向きに考えられるかでその後の結果は大きく違ってくると言う

▼今、深刻な不況で企業もそこで働く人たちもすぐに答えを求め過ぎるのではないだろうか。目先にこだわるあまり内容の充実をおざなりにすれば結果的な成功は得られないと思うのだが。(水・KK)

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