コラム

2003/08/20

広まるかサマータイム(甲・EO)

2003.08.20 【広まるかサマータイム】

▼滋賀県で県職員によるサマータイム(夏時間)の試行が7月から8月31日を期間に開始された。約700人が参加しており、終了後のアンケートで実施効果や影響を検証し、国レベルの議論につなげたい考えだ

▼サマータイムは、日の出時刻が早まる時期に、時計の針を1時間進めることで、太陽光を有効活用しようとするもの。現在、欧米を中心に世界70か国以上で導。、0ECD(経済協力開発機構)加盟国の中で採用していないのは、日本、韓国、アイスランドのみ。アメリカでは4月4日から、ヨーロッパの多くでも3月28日から約半年間がサマータイムとなっている

▼同制度を最初に導入したのは第1次大戦中のドイツとイギリス。軍需物資の不足から灯火の節約を目的に開始された。我が国でもGHQの指示で昭和23年から導入されたが、評判が悪く同27年に廃止された経緯がある

▼現在の我が国での議論は、季候変動枠組条約第3回締結会議(CO3、京都会議)で合意した温室効果ガス6%削減に寄与するための一環。制度導入で原油約50万キロリットル、CO2約44万tそれぞれの削減効果があると試算。この原油量は、我が国全世帯の1か月程度の照明需要に相当するという

▼ところで、同制度を採用しているのは、地軸の傾むきにより夏季の昼と冬季の夜が長い中〜高緯度の国々だけ。我が国は、これよりも低緯度に位置するので時計の針を1時間早めてもあまり意味がないという意見も多い。制度導入までには、国民的な議論を必要とするが、これからの時代は小さな対策を積み上げて大きな効果を引き出していく取り組みが求められる、との指摘もある。(甲・EO)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら