コラム

2003/08/22

人間性の育成に読書(水・KK)

2003.08.22 【人間性の育成に読書】

▼8月も既に下旬になり、今年は梅雨明けの遅れと冷夏で例年以上に「ゆく夏」の寂しさを感じる。子どもたちは有意義な夏休みを過ごせただろうか。じっくり本が読めただろうか

▼受験勉強の弊害が言われる。確かに入試では50分とか1時間という短い時間に、いかに効率よく、たくさんの問題をこなしてゆく即答能力をテストするだけで、深い洞察力や知恵が試されることなど皆無に近い。しかしこの傾向は日本だけではなく、「論理力」を問うとされるアメリカなどの学力テストも大同小異らしい

▼同窓生で現在某私立大学の助教授をしているW君の話しだが、残念ながらというべきか受験で高得点を取る学生、高偏差値の大学出身者のほうが、総じて実社会でもいい仕事をするという。受験で試されているのはもちろん知識量だが、受験勉強をきちんとしてきた学生はしてこなかった学生に比べ集中力、持続力でまさる。仕事に差が出るのは当然と彼は言う

▼「仕事は忙しい人に頼め」とよく言われるが、また忙しい人ほど本を読むようだ。経済産業省課長のS君、大手家電メーカー役員のH君は当時からたいへんな読書家だった。2人は今でも出張先や旅先でも寸暇を惜しんで年間80〜100冊を読む。ちなみにサラリーマンの平均年間読書量は2・5冊といわれる

▼価値観の多様化する現在、経営者やビジネスマンにとって読書の重要性は増すばかりだ。また、受験生にとっても読書は欠かせない。豊かな人間性の育成とともに何気なく手にした1冊の書物から人生が変わったり、一生の仕事、天職に出会うこともある。読書の継続で可能性が広がると言うことだ。(水・KK)

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