コラム

2003/08/29

甲子園で降雨再試合(本・MM)

2003.08.29 【甲子園で降雨再試合】

▼第85回全国高校野球大会も常総学院(茨城)が優勝し幕を閉じた。1回戦で、4回裏2死まで圧勝しながら降雨でノーゲームとなって、甲子園初勝利を逃した北海道の駒大苫小牧高が翌再試合で、岡山の倉敷工高に敗れた。高野連は「伝統あるベースボールの考え方を踏襲している」と説明

▼幻の勝ち試合の波紋が広がった。降雨ゲーム後はテニスのように同じ状態から再開すべき、延長15回引き分け再試合など特別ルールを降雨ゲームにも適用すべき、などが耳朶に触れた。そこまでの結果を白紙にしてしまうのも道理に合わないとする意見だ

▼再試合逆転勝利と言えば、大正6年の第3回選手権大会1回戦で敗れた愛知一中が敗者復活戦で蘇り、準々決勝、準決勝、決勝と駒を進め、ついに決勝に進出。6回表まで1点差で負けていたが降雨中止、再試合となり、到頭逆転優勝した記録がある。「負けたチームが優勝とはこれ理不尽なり」として、爾来復活戦は消えた

▼また今大会、春の選抜優勝校広陵の春夏連覇の夢を散らしたのは岩国高校だった。何度対戦しても勝てない広陵に取った作戦は徹底した「攻め」だった。ビデオで投手の配球パターンを頭に叩き込み、145キロに設定した投球マシンで打撃練習を積み、当日背水の陣となる先攻を選んだ。ベース寄りに立ち内角球攻めを封じ、バットを一握りあけた

▼地方大会、岩国は決勝を含め3度の延長戦を制し精神力を身につけていた。昨年の決勝戦で宇部商に12点の大差完封負けへの雪辱も果した。一方広陵は全試合大差勝ち、接戦に不慣れだった。技術と精神力が横綱を上回った勝利だった。(本・MM)

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