コラム

2003/09/30

マニフェストは媚びか(水・YH)

2003.09.30 【マニフェストは媚びか】

▼暦では明日から冬に入る。まだ冬の実感は無いが、ススキが見事に野山に生い茂り、すっかり深まり行く秋の印象である。ようやく実りの季節を迎えたが、お米の窃盗が続発するなど、世相は益々寒々しいが

▼「おれは河原の枯れススキ 同じお前も枯れススキ どうせ二人はこの世では 花の咲かない枯れススキ」大正12年、野口雨情の詞「枯れすすき」に中山晋平がメロディをつけて名曲「枯れススキ」の唄がうまれた。文字通り雨情が生まれ育った馴染みの利根川を舞台にしたものだ。戦争や関東大震災前の世相を反映し一世を風靡した

▼乱世は著しく回転の速い今日では当たり前だが、小泉・新内閣も国民の高い支持率でスタート。11月9日衆議院議員選挙は周知のようだ。加えて民主党・自由党が選挙を見据えて合併するなど風雲急を告げる政局だ。株価は1万円のレベルに到達したら、円が急騰しバランスが悪い。今こそ「抜本的な政策を」と期待も大きい

▼民主党がマニフェスト(政治公約)の素案を公表し、早くも臨戦態勢を見せている。3年以内に高速道路を無料化。2010年代の後半には財政を黒字化する。2006年度に国の直轄事業3割、9000億円を削減する。年金改革を国民基礎年金と所得比例年金の2本建てにする等々である

▼そもそもマニフェストが最も有効に機能しているのはイギリス。日本の抽象的な公約とは違い、より内容が具体的になっているのが特徴だ。身近な政策が各党から示されるなら、国民も非常に解りやすい。しかし、選挙時だけの「媚び」が透けて見えはしないか。騙されない見識を我々は養わなければならない。(水・YH)

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