コラム

2003/10/03

石油に代わる天然資源(甲・TH)

2003.10.03 【石油に代わる天然資源】

▼先日、小学校時代の恩師に偶然お会いした。20年近く前、「石油があと少しで無くなる」と教えてくれた。その当時「石油が無くなると、どうなってしまうのだろう」と子供ながらに心配したことを思い出した

▼その石油も残り約50年近くと言われ始め、石油が無くなるという不安が現実味を帯びてきた。我が国では、石油の100%近くを輸入に頼っているため、石油が日本に届かないことによる混乱が過去に3度もあった。最初は、1973年の第1次石油危機、2度目は1979年、3度目は記憶に新しい1990年の湾岸戦争のときだ

▼最初の2回は、まさに予想外のための油断による社会的大混乱である。その教訓を活かし、日本政府は最初の2度の石油危機以来、火力発電を石油だけではなく、石炭や天然ガスなどに振り分け、数十日分暮らせるだけの石油を国家予算で備蓄するようになった

▼我が国では、石油も天然ガスも殆ど出ないので、輸入に頼っているのが現状である。世界的な可採年数が200年以上の石炭は別として、石油と天然ガスが枯渇の兆しを見せ始めたら日本経済は大きく揺らぐだろう。いざ、石油が無くなってしまったら、資源の確保のために、戦争などの混乱が世界的に起こりかねない

▼我々は、廃棄物などの問題を未来に残さず、地球と共存でき、無理なく、しかも環境にやさしいエネルギー(太陽熱、風力、燃料電池等)を効率的に引き出し、そのエネルギーを実用化する段階に近づいている。全世界で混乱が起きる前に、石油を上回る「新エネルギーの開発」に期待したい。これは国の浮沈に拘わる避けられない問題である。(甲・TH)

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