コラム

2003/10/04

超巨大迷路の出口は(甲・SA)

2003.10.04 【超巨大迷路の出口は】

▼昔、迷路を書くのがうまいクラスメイトがいた。休み時間などを使い、短時間で器用に細かく様々な形状をした迷路を書き上げる。脱出に苦戦する姿を見て、迷路のあまりの精巧さに感心しきりであった

▼かつて空き地を利用した実物大の巨大迷路がブームとなり、ある日突然至るところに続々登場した時期があった。高さは約2mくらいの板を縦横無尽に立たせて通路を作り、入口から出口を目指す。急げば急ぐほど囲まれた壁の突き当たりに遭遇し、同じ道を行ったり来たりを繰り返す。何分で出口にたどり着いたかを競うタイムトライアルや、何分以内に出口に着いたら賞品が出ますなどの謳い文句で一時は大人気のアトラクションとなった

▼いつの間にかたくさんあったはずの巨大迷路は、景気のあおりを受けたのか少しずつ姿を消してしまった。健康ブームで運動不足が囁かれがちな現代人に、巨大迷路はうってつけではないだろうか。頭も体にも知力・体力がつくという利点もあるが、迷ってもイライラしないという面白味もある

▼今日の日本はまさに出口の見えない巨大迷路を模索している真っ只中だ。随分長い時間出口が見い出せずに、タイムトライアルどころか、追加料金をがっぽり取られそうな勢いである。景気の動きも株価の上昇などわずかな上下動を繰り返しているものの、依然として低調である

▼プロ野球セントラルリーグを18年振りに制した阪神タイガースの優勝に伴うおよそ何千億円とも言われる経済効果。これが日本の景気動向に直接インパクトがあるとは言えないが、少しでもあやかりたいと思うのは自然な成り行きだろう。(甲・SA)

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