コラム

2003/10/21

ひ弱になった現代人の明日(水・YH)

2003.10.21 【ひ弱になった現代人の明日】

▼空が一段と高くなった。ご存じの北米原産帰化植物、黄色い花を付け群生している「せいたかあわだちそう(背高泡立草)」がこれ見よがしに荒れ地に咲き乱れている。綺麗だが反面実に力強い

▼先般、文部科学省から平成14年度の「体力・運動能力」の調査結果が公表された。国民の体力・運動能力の現状をとらえ、体育・スポーツの指導と行政上の基礎資料とする目的。6歳から79歳まで7万2582人を対象にしたものだが、総じて各年齢層とも基礎的な運動能力が年々低下傾向をたどっているとしている

▼傾向を見てみると握力は30歳前後がピークに、上体起こし(筋力・筋持久力)は男は17歳、女は14歳頃にピークを迎える。長座体前屈いわゆる柔軟性は17歳頃がピークだ。当然年齢を加える毎に低下していくが、総合的に40歳代後半からが著しく低下していく。65歳以上では日頃の運動習慣によって大きな差が出ている

▼「昔はこうだった」子供に負け惜しみを言うのが平均的親の口癖だが、調査結果はこれを裏付けるのだ。概ね親の世代(30年前の昭和47年度調査)と比較すると、10、11歳の50メートル走、ソフトボール投げでは親のかつての世代の方が上回っている。ところが身長等体格では現代の子供の方が上回っているため親は「不甲斐なさ」を感じる

▼「食べる」ためにひたすら働くことがかつての「働く」意義だった。それが必然的に健康な精神と体力を養う結果となった。食べることに不自由が無くなって、体格は大きくなったが、体力は二の次となった若者に「健全な精神は健全な肉体に宿る」とする基本が通じないとすると、明日が恐ろしい。(水・YH)

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