コラム

2003/10/30

ドキッとする字幕(甲・SA)

2003.10.30 【ドキッとする字幕】

▼今年に入ってからか、頻繁にニュース速報を目にする機会が増えた。かつてはそれほど速報に遭遇することはなかったはずなのだが。年々、事件、事故、災害などが増加傾向にあるためか、テレビ局が敏感に情報提供をする反応が顕著だ

▼流れる速報は、交通情報、天気予報はもちろんだが、スポーツの結果など、速報内容も多様化し、緊急時の情報源としての役割も果たす。思わず「あっ」と驚く情報を生で伝え、各局によって異なる独特な警告音から視聴者の警戒心があおられ、視線は一斉にテレビへと向く

▼過去に、NY世界貿易センタービルのテロ事件や、阪神大震災時の災害状況、スポーツ界では、F1ドライバーのA・セナ選手の事故などの衝撃的な速報は、続報のスーパーが流れるたびに不安や緊張を覚えた。目で捕え、文字から状況を把握する字幕スーパーが訴える強さは、時に恐怖を感じる

▼一方、映画の字幕スーパーの文字は決して上手な文字ではない作品があったりするが、どれもなぜか観ていてとても読みやすい。バラエティ番組などには近頃、様々な形の字幕が踊るように使われていることが多くなった。耳から伝わる言葉以上に画面に打ち出されるキーワードもまた、表現しきれない部分を字幕はサポートしている

▼12月1日より、地上波デジタル放送がいよいよ関東、中京、近畿の一部で開始し、2011年7月にはアナログ放送が無くなる。06〜08年には約9割の世帯での視聴普及を目指すという。ますます増える情報提供サービスに併せ、新たな進化を見せるテレビは、今後どのような場面や文化を私達に与えるのだろう。(甲・SA)

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