コラム

2003/11/07

投票へ行こう(長・EM)

2003.11.07 【投票へ行こう】

▼漫画家・松本大洋は著作「ナンバーファイブ」の中で登場人物に語らせる。「空は高く海は深く人々は互いを思いやる…ピザにのったオリーブをつまみ食いする程度の悪しか存在しない…なんと平和な社会」

▼11月9日は第43回衆院選投票日。今後を占うとは大袈裟かもしれないが、歴史の1ページを築く大事な選挙である。「誰に入れても…」といった嘆きも聞こえるが、それでも票は投じたい

▼衆院選の投票率は、消費税導入後初の総選挙としてその是非が争点となった1990年第39回で73・31%を記録するも、小選挙区比例代表並立制となった前々回の1996年第41回には50%台に落ち込んだ。ちなみに1890年、記念すべき第1回は93・91%。もっともこの時の選挙権は「直接国税15円以上を納めている25歳以上の男性」のみが持つ特権的なものであった

▼戦後、初めて20歳以上の日本国民すべてに選挙権が与えられたのは1946年の第22回で、この時の投票率は72・08%。さぞかし期待に胸を膨らまして投票所に足を運んだであろうことは想像に難くない

▼時は流れ、選挙権への意識は薄らいだ。「たかが一票」「何も変らない」という時代をつくったのが私達なら、万が一にもそれを変えられるのも私達である

▼先人達は今日の社会を築くため多大な努力を重ねた。我々は今その恩恵を享受し、感謝と尊敬の念を抱く。我々もまた、いつの日か歴史を生き、つくった先人としてひと括りにされ、審判を受ける時がくるのである。物質的な豊かさを追い求めた時代の華やかさに、さらなる彩りを添えたい。無関心などではいられない。さあ、投票へ行こう。(長・EM)

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