コラム

2003/11/12

機知に富んだ会話(さ・YW)

2003.11.12 【機知に富んだ会話】

▼ユーモアの能力−わが国民は概して機知に富んだジョークや会話力に乏しいと言われる。このことが相手方に意思か正確に伝わらず時にはビジネス、外交にまで失敗を招く

▼先日、テレビでカリフォルニア州知事選挙のテレビ討論会が映し出された。俳優のシュワルツネッカーに対して女性立候補者が厳しく詰め寄ると、「あなたに良い役柄がある」と話し、自身が主役の映画の次のシリーズの敵役に出したいと切り返した。会場はどっと沸き返り、それまでの緊迫し、感情的になっていた候補者同士が笑いあった

▼相手を傷つけることなく、しかもイメージ選挙、CM選挙に必要な機知に富み、切り返しの見事さといったらいくら拍手しても足りない。そもそもアメリカ人は人を挽きつけ、周囲を和ませる会話には定評がある。政治家など職業に関係なくだ。それは、小学校の低学年の時から授業の一環で、毎週一人ずつテーマを決めずに思っていること、自分のことを話す授業があるからだ。その授業では、質問時間もあり、決して傷つけることは発言してはいけないそうだ

▼つまり、訓練ができているのだ。もうすぐ総選挙が告示される。言葉こそ命と言われる政治家の言わば総決算が選挙における演説となる。演説に限らず、テレビでの討論会を見ていると、討論内容が貧しいと言わざるをえない。互いに感情を剥き出しにし、司会者の声が聞こえず、収拾のつかないことさえある。一方的な会話になり、機知に富んだ返しや周囲が沸くような場面など見たことがない

▼10年以上前、「朝まで生テレビ」の会場に視聴者として出たことがある。高度な討論というより、口ゲンカ、猿山のボス争いだった。皆さんも総選挙では会話で人となりを見極める必要がある。(さ・YW)

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