コラム

2003/11/14

本によって拓かれる人生(水・KK)

2003.11.14 【本によって拓かれる人生】

▼昨日11月13日、茨城県立図書館が創立100周年を迎えた。その記念イベントが2日(日)、図書館と隣接の三の丸広場で開催された。古本フリーマーケット、子ども相撲大会、アウトドアクッキング、模擬店などに加え、視聴覚ホールでは聖路加国際病院理事長・日野原重明氏の記念講演が行なわれた

▼ベストセラー『生き方上手』などをはじめ多数の著書で知られ、高齢化社会をいかに充実して生きるかの大切さを示し続ける氏の講演には会場に入りきれない大勢の人が1、2階のテレビモニターの前に鈴なりになる盛況ぶりだった

▼演題は『本と文化によって築かれるひとのいのち』。日野原氏は京大医学部入学直後、重い結核を患い一年間の闘病生活を余儀なくされ、復学後も暫く鬱病のような状態に陥った。「病気は一人前の医者になるために用意された試練」と氏は振り返る

▼人生とは出会いの妙ーと言われる。人との出会い、音楽や絵との出会いそして書物との出会いがその後のその人の人生を決めることも多い。日野原氏の臨床医としての生き方を決定づけたのはアメリカのウィリアム・オスラー医師の講演集だという

▼『ありますか?好きだといえる1冊が・・・』今年の読書週間のスローガンである。犯罪の凶悪化、低年齢化が叫ばれて久しい。こんな状況だから孟子の性善説か荀子の性悪説かー識者によって意見が分かれるところだろうが、人はもともとは性善でも性悪でもなく、中間的存在であると思う。すべては縁しだい、環境しだいと言えるのではないだろうか。良い書物、感動的な本は子どもとっても大人にとっても生き方への提言となる。(水・KK)

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