コラム

2003/11/15

男体山のある風景(前・KM)

2003.11.15 【男体山のある風景】

▼築25年になった栃木の実家で移転建て替えの話が進んでいる。先日の打ち合わせで間取りがほぼ決まり、次回の宿題は内外装のイメージを固めること。順調なら年内には着工して、来春から新しい家に住み始めることになる。家族の皆が住み慣れた土地に後ろ髪を引かれつつも、徐々に期待は高まっている

▼建て替えは、両親が年金をもらう年齢になり、今後は病院や銀行、大型スーパーに歩いて行ける土地で暮らして欲しいと考えてのこと。実家は当時、栃木県住宅供給公社が建売分譲した住宅で、遠く北には男体山、東には筑波山が見えるのどかな田園地帯にある。両親に聞けば、東武鉄道の駅と小学校が近いから購入したという。また、これらの環境が育った故郷の原風景に似ていたとも言っていた

▼移転先は比較的駅に近い「街寄り」にしたため、土地は今よりも狭くなる。せめて住宅を広く見せたいと考え、両親の希望に合わせて今の家よりも大きなリビングダイニングに。また、2階に設けるフリースペースを吹き抜けの玄関と一体化させて開放感を出した。気密性が損なわれない程度に、可能な限り引き戸を多くしてバリアフリー化したつもりだ

▼地元工務店との打ち合わせでは、住宅を建てる際の注意点など過去の取材を通して、建築士や工務店の方々に教えてもらった話が役立っている。おかげで提案をもらうバリアフリーのポイントやシックハウス対策について、相づちを打てるようにもなった

▼しかし、プランが現実味を帯びてくる反面、住み慣れた土地を去り難い気持ちも膨らむ。口うるさい「建築かぶれの施主」の希望を聞いてもらっている同じ高校出の先輩に感謝しつつ、新天地に良い家ができたと、見映えの変わった男体山に言えるようにしたいものだ。(前・KM)

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