コラム

2003/11/19

「たいやきの焼き方」(松・JI)

2003.11.19 【たいやきの焼き方】

▼近所の小さな商店街に、たいやき屋がある。北海道産の小豆を使ったアンコが自慢で、なるほど甘すぎず食べやすい。また皮から透けて見えるほどに大量に入っているのも特徴である。アンコを包む皮にもこだわりの素材を使用、具に負けぬ味である

▼このたいやき屋では「一本焼き」を行なっている。一般的には、幾つものたいやきの型が並ぶ大きな鉄板で同時に何個も焼く。これに対して一本焼きの場合は、文字通りひとつの焼き型にひとつ分の材料を入れて挟んで焼く。このため火にかけた焼き型について、個々に注意を払わねばならない。しかし、だからこそ出来上がりひとつひとつが美味しいのかもしれない

▼たいやきは、1909年に港区麻布十番「浪花屋総本店」初代が今川焼きをヒントに創製した。同店と新宿四谷「若葉」、日本橋人形町「柳屋」の3店は「たいやき御三家」などと呼ばれており、行列に並ぶか予約するかしなければ手にすることができないほどの人気である。小さなたいやき一つでも職人の技が左右することの証だろうか

▼それがたいやきであろうがなかろうが、ひとつひとつの仕事に精を込めて良質の成果を生み出せば、やがては人が付き経済も発展するのではないか。具をどうするか、皮をどうするか、焼き方は、店構えは、というように仕事内容の全てについて考え抜き実践することで成果に変化が現れてくるように思う。もちろんそれだけで好景気になるほど単純ではないだろうが

▼前述の近所のたいやき屋では、アンコ入りのほかにウインナー入りを売っている。筆者はこのウインナー入りを特に気に入っており、ビールと共に食す時は思わず笑みがこぼれてしまう。ちなみに「頭から食べる派」である。(松・JI)

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