コラム

2003/11/22

選挙とテレビの話(新・YA)

2003.11.22 【選挙とテレビの話】

▼59・86%。去る11月9日に実施された、衆院選小選挙区における投票率だ。戦後2番目に低い結果だというこの数字に関して、麻生太郎総務相は「国民として、投票は権利ばかりでなく義務でもある。もう少し関心を持ってもらいたい」とコメントしている

▼12・4%。その衆院選に関して民放各局が放送した選挙特番のうち、トップのフジテレビ「FNN踊る大選挙戦」が獲得した視聴率の数字だ政治離れが叫ばれる若者達の間では「今日はテレビが選挙特番ばかりでつまらない」という声も多かっただろう

▼実際、フジテレビ特番のトップ獲得の背景には、同時に放映されたスポーツ中継の影響も大きいという。テレビ関係者にとっては、投票率よりも視聴率の高さのほうが気になる問題だろう。1%の浮き沈みが死活問題につながるのは、政治家もテレビ製作者も同様のようだから

▼0・67%。このほど日本テレビのプロデューサーが、視聴率の調査対象世帯に現金などを渡し、自身が制作した番組を見るよう依頼していた事実が発覚した。興信所を利用し、割り出したという。その4世帯分の反映視聴率が、この数字。たかが1%にも満たない数字ではあるが、統計上は関東地区の約11万世帯が見たという計算になってしまう

▼テレビ業界も、最近は視聴率の低迷が叫ばれている。背景には、インターネットの急速な普及も大きいという。近い将来、自宅のパソコンで手軽に選挙投票が行えるようにもなるだろう。そうなると、出口調査も不可能となってしまう。IT世代の選挙をどう戦うか。政治家もテレビ屋も、ますます頭を悩ます時代が来るのかもしれない。(新・YA)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら