コラム

2003/11/28

トライ・アゲイン(水・KK)

2003.11.28 【トライ・アゲイン】

▼「Qちゃんまさかの失速」「代表選考混迷」。今月16日に行なわれたアテネ五輪代表選考会を兼ねた東京国際女子マラソン。高橋尚子選手の惨敗には誰もが驚いたが、レースから日が経っても各メディアによる敗因分析や今後の選考の見通しなど報道が続いている

▼マラソンの五輪選考には明確な基準はない。タイム、順位が設定されているわけではなく、選考レースの上位者から「メダル獲得または入賞が期待できる選手」とされているだけだ。言わば玉虫色で、それゆえ過去に幾多のトラブル、悲劇を生んできた経緯がある

▼某ラジオ局が「高橋選手は代表に選ばれるべきか」とのアンケートを行なった。結果は56%の聴取者が「選ばれるべき」と回答している。2時間27分21秒の記録はともかく有力なメダル候補への期待断ち難しということだろうか

▼92年バルセロナ、96年アトランタと2大会連続でメダリストとなった有森裕子選手もその選考をめぐっては大きな物議を醸した。条件の違う複数の大会での選考よりも一発勝負のレースで代表を決めるべきとの指摘もあるが、スポンサーなど大会運営上難しい点もある

▼日野原重明氏の初の翻訳絵本『勇気(COURAGE)ユーリーグ刊』を買い求めた。日常生活における小さな勇気から大きな勇気までさまざまな勇気がわかりやすく示されている。その中で「やり直す勇気」が印象的だった。過酷な道のりだろうが高橋選手にはぜひもう一度トライして欲しい。その上でどの選手が選ばれるにしても、代表選手には精一杯のエールを送りたい。競技以外においてはアスリートには何の責任もないのだから。(水・KK)

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