コラム

2003/12/02

師走ということ(水・YH)

2003.12.02 【師走ということ】

▼「師走」の語源は諸々。一年を終える「為果つ(しはつ)」の月。師は僧侶の意で年末は忙しいので「師馳せ」月。としはつるつき(歳果つる月)。すべからく終わる「しはつづき(為果つ月)」等々の説がある。一般的には「先生も忙しい」としているようだ

▼「先生」とは広辞苑によると、学徳の優れた人。学校の教師。医師、弁護士。さらに他人を親しみ又は、からかって呼ぶ称などとある。それでは「師」とは。これも広辞苑によると学問・技芸を教授する人。先生。宗教上の指導者。専門の技術を職業とする人等々となっている

▼学校の先生について。昨年指導力不足と認定された人は何と全国で289人。この中で処分を受けたのは19人。依願退職は56人。指導力不足として研修を受けたのは226人。さらに管理職が一般職に戻る「希望留任制度」を適用した人は校長2人を含めて49人にも及ぶ

▼「師」のイメージで浮かぶ本がある。学校の先生については新田次郎著「聖職の碑」。建築関係者は西岡常一著(宮大工棟梁)の「木に学べ」。茨城県土木部の技術者はかつて土木技術者としてのスタンスとして小山いと子著「海門橋」を読まされたという。それぞれの本では職の哲学が明確だ

▼政府の景気動向は「上向き」のニュアンスだが、現実はとんでも無い状況。年金、税制問題、来年度の予算編成方針等々どれを見ても逆風ばかり。そんな中で前出の本は「師」の哲学に触れ心洗われる身近な本である。年内は文字通り「師走」状態だろうから、正月休みに一読してみてはいかがだろうか。どんな状況下でも後一月足らずで正月は必ず来る。(水・YH)

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