コラム

2003/12/03

実行することの難しさ(前・HI)

2003.12.03 【実行することの難しさ】

▼ある工務店が実施したリフォームの現場見学会に参加した。木造平屋建て2LDKの住宅を、1階は床と壁の張り替え、さらに2階を増築し外壁を新しいものに替えたもので、リフォームというよりも増築がメイン。築10年、2人いる子供が小学生になった頃、増築をする計画でいたそうで、構造材は4寸柱を使用するなど、全て計画通り。ある人は「うちのリフォームにはあまり参考にならない」とぼやいていた

▼物事が計画通り進まない時や、他人の行動が理解できない時、私はイスラエルとパレスチナの武力闘争を想起する。攻撃と報復の繰り返しは、双方に大きな犠牲を伴うのに、なぜこの限られた地域の闘争を、当事者はもちろん国際社会が和平の道へ導くことができないのか

▼19世紀末に、ユダヤ人が自らの国をパレスチナに建設しようとした「シオニズム運動」に始まり、1948年のイスラエル独立宣言後は、4度の中東戦争に代表される紛争の歴史だ。周囲を敵に囲まれた中で生きるイスラエルにとって、強い軍事力がなければ地図上から消されてしまう。当事者でなければ窺い知れない世界がここにはある

▼こうした国を支える国民の生活は厳しい現状がある。小国が強大な軍事力を支えるため、国民皆兵制度を取り、資金を捻出するため、日本円で約10万円を超える収入には50%の高い税率が課されている

▼計画通り物事が進めばこんな気持ちのよいことはない。しかし、予想もしないことが起きるのは世の常でもある。時は師走に入った。1年の計は実行できたであろうか。師走を後悔のないように締め、来たる年に備えたいものだ。(前・HI)

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