コラム

2004/01/24

冬来たりなば、春遠からじ(新潟・KS)

2004.01.24 【冬来たりなば、春遠からじ】

▼暦の上では春と言うことも無かろうが今年はなぜか暖かい。これも異常気象の一つなのだろうか。でも朝晩はやはり冷える。部屋では暖房器具が必要だ。最近は洋風の家が多くなり、その種類も豊富だが、やはり畳の部屋には炬燵だろう。炬燵といえば、みかんが浮かぶが、今はどうだろうか

▼みかんと言えば和歌山県(紀州)だが、今では全国36府県で栽培される、最も古くから親しまれている果物。東南アジアの原産で、6月頃白色5弁の花が咲く。果実はもちろん食用、果皮は薬用・香料などにも使われている。そういえば、みかんの皮を布袋に入れ、美容と健康にと利用されている

▼最近の研究によると、柑橘系の果実には発ガン抑制効果成分が含まれていると発表されている。中でも、温州みかんに多く含まれているカロテノイドはその代表。果肉にはほとんど含まれていないため、果皮ごと搾汁するジュースを飲んだほうがより効果的なようだ

▼みかんに纏わる話と言えば、「沖の暗いのに白帆が見えるあれは紀の国みかん船」で知られる「紀伊国屋文左衛門」である。時は元禄時代。台風の当たり年だった江戸では、ふいご祭り(立冬に行なわれる鍛冶屋などのふいごを使う職人たちの行事)に使うみかんが不足していた。そのため、価格も高騰しているに違いないと考えた文左衛門は、勝負に出る決意を固めた

▼乗組員には3倍の手当てを約束、1200両分・7000籠のみかんを積んで江戸へ向い、莫大な富を得たと言われている。サクセスストーリーのお手本だが、今更ながら、その先見の明と決断力は今日最も必要なものの一つではないだろうか。(新潟・KS)

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