コラム

2004/02/18

「創作熟語」対「サラ川」(本・MM)

2004.02.18 【「創作熟語」対「サラ川」】

▼今年第1号発行の住友生命「ウイークリー広報」紙1月5日付けで昨年の世相を反映した「創作四字熟語」優秀作品10選を特集している。同社恒例の企画で、1年の出来事を漢字4文字で振り返るという、いわば、ことばの遊びだがファンが多い

▼高速道路の料金はどうなるのか『憂慮道路』(有料道路)、18年ぶりにリーグ優勝した阪神『虎無沙汰』(御無沙汰)、大切に育てた米を盗まれた農家の気持ち『曖米何処』(曖昧模糊)、99歳(白寿)で欧州最高峰モンブラン山系の大氷河でスキー滑走の快挙をとげた三浦敬三さん、拍手喝采をもじって『白寿滑才』。「その年に感じたことを漢字に託し」た作品は毎年1万件を越えるという

▼一方、創作四字熟語の住友生命に対し、第一生命が実施しているのが、5・7・5音の組み合わせを定型としている、ご存じ「サラリーマン川柳コンクール」(サラ川)だ。綾小路きみまろ氏も、ここからネタをいただいたくらいの秀作揃いである。例年5月に応募結果を公表しているが、むしろ年初めの笑いにはぴったりだ

▼一例をあげると、「考えぬ 葦につぎ込む 教育費」、「ボーナスを パパにあげてよ サンタさん」。「デジカメの エサはなんだと 孫に聞く」、「ドットコム どこが混むのと 聞く上司」、「コストダウン さけぶあんたが コスト高」「恋人が いるかと聞かれ はい いります」

▼一読笑語、有毒辛辣句の2つの文芸のなかに、笑えて、新しく、見て見ないふりのできない真実が見える。庶民の世間を見る目は鋭い。文学を紡ぐプロでない、庶民の文芸は視野が広く、頼もしい。(本・MM)

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