コラム

2004/02/27

「らしく」ありたい(水・KK)

2004.02.27 【「らしく」ありたい】

▼20年近く前になるだろうか。「新人類」という言葉が流行った。いまどきの若い者はーと苦々しく思いながらも、今よりははるかに若い世代に対する理解と期待があった気がする

▼今月17日付け読売新聞に日米中韓で行われた「高校生の生活と意識に関する調査」が掲載された。彼らが「学校のずる休み」、「親への反抗」、「過激なファッション」などを肯定する割合の高さは実感できるが「男は男らしく」、「女は女らしく」という意識が他国に比べ突出して低いという結果にはいささか驚いた

▼中南米のラテン系の国々には「マチズモ」の思想がある。男の中の男(マチョ)が何よりも尊敬され、男たちはそうありたいと願う。ボクサーがナショナルヒーローになる国が多く、ロベルト・デュラン、ルーベン・オリバレスなど歴史的拳豪を次々に輩出している。闘いぶりも豪快なファイタータイプがほとんどだ

▼戦後、日本は驚異的復興と高度経済成長を遂げ、世界有数の経済大国と呼ばれるまでになったが、反面失ったものも非常に多い。企業は効率のみを追求し、商社化し海外に大挙進出し、日本株式会社と揶揄された。物も人も価値はすべからくお金で計算された。今日の若者のモラルの低下はそうした時代背景にもあるのでは

▼NHK大河ドラマ『新選組!』で川平慈平演じるオランダ人ヒュースケンが「日本人は礼儀正しく、義を重んじる素晴らしい国民」と日本人の精神文化の高さを絶賛していた。加えて手先の器用さ、匠の技も。時代は変わっても、古来からの良き倫理観、道徳観を大切にしたい。そして「日本人らしく」ありたい。(水・KK)

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