コラム

2004/03/03

花粉の飛び交う季節に(新・KS)

2004.03.03 【花粉の飛び交う季節に】

▼陽だまりでは黄色い水仙の花、蝋梅が咲き乱れ、早いところからは紅白の梅見頃の便りも聞こえ始めた。こんないい季節になってきたというのに、憂鬱そうな顔をして歩いている人やマスクをした人が目立っている。花粉が飛び交う季節だ

▼代表的なのは、杉花粉。戦後の植林計画に「杉」が奨励されたため、日本中いたるところの山に杉林がある。よく晴れて、気温が上がり、風の強く吹く日などは、まるで中国大陸からもたらされる黄砂のごとく、黄色い花粉が押し寄せてくる

▼2,500万人。全国で花粉症に悩む人の数だ。5〜6年前までは1、000万人と言われていた花粉症患者数は、増加を続けており、厚生労働省によると「特に都市部では3人に1人が花粉症患者」ということで、年々深刻さを増している

▼この季節になると店頭に並ぶのがマスク、メガネ、目薬などお決まりの花粉症対策グッズ。今年は、ちょっと変わったものがその仲間入りをすることになった。アレルギー改善活性を示すとされるKW乳酸菌。これらを摂取することによって、腸管免疫の機能が高まり、体の過剰反応が抑制できるということから花粉症退治の救世主として期待が大きい

▼現代人にとっては余り有り難がられない杉だが、家を建てる材料としては檜と1、2を争う。奈良県の全体の約半分を占める吉野郡には、人工美林として有名な吉野杉がある。色が濃く、目が混んでいて、そして何よりも香りが良い。その代表的な建築物は大阪城。しかし現在では嫌われ者の花粉症の原因に。近代の医学や化学をもってしても抜本策がない。鬱陶しいこと限りないのだが。(新・KS)

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