コラム

2004/03/05

進化論と企業存続論(本・MM)

2004.03.05 【進化論と企業存続論】

▼ダーウィンの『進化論』に次の一節がある。「この世に生きる生物は、最も強いものか、そうではない。最も頭の良いものか、そうではない。それは変化に対応できる生物だ」。歴史的大著『種の起源』によって生物の進化を解明した理論である

▼建設業をはじめとする中小企業の倒産はなかんずく多い。ダーウィン理論の生物を会社に置き換えてみる。「この世に生き続ける会社は、売上の多い会社か、そうではない。最も賢い会社か、そうではない。それは様々な環境の変化に対応できる会社である」。会社を建設産業に代えても大意は十分に通じよう

▼戦後日本の政治家で「明確な国家ビジョン」を持っている1人に中曽根康弘元総理がいる。当選回数20回を誇る現代日本政界の大御所である。元総理は、戦後のどんな時代においても「日本が発展するにはどういう戦略をとるべきか」を一貫して考え続けてきた政治家である。中長期戦略をもつ政治家をプロフェッショナルと呼ぶなら、プロの政治家はそうはいまい

▼国家ビジョンを「企業ビジョン」に、日本が発展すべき戦略を「会社が発展すべき戦略」に変換してみる。ダーウィン理論が示すように、変化に対応できる企業環境を確立するには、今がどんな時代であるかを正しく認識し、企業の活力を常に引き出す努力を怠らないことであろう

▼不況もあろうが売上が落ち込んでいる企業は、先を読んだビジョンの欠落も大きな理由の1つなのではなかろうか。梅が咲き、日脚が伸びてきた季節になったが、中小企業も倒産防止の観点から、ここらでビジョンの構築を本気で考えなければならない時期では。(本・MM)

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