コラム

2004/03/11

わかりやすい合併を(さ・AO)

2004.03.11 【わかりやすい合併を】

▼自治体が抱える問題の一つに、市町村合併がある。役所へ取材に行っても「あっ、その事業は、合併問題があるから、動くとしても、その後だよ」とよく耳にする。確かに、合併特例債の活用などメリットは多い

▼合併協議会を傍聴していると、意見をする人はいつも一部の同じ人。それだけ問題意識を持って、場に臨んでいるのだろう。でも、その他大勢の委員は、議長の「異議ございませんか」の問いに「異議なし」と応える。「えっ、それで良いの?」と疑問が残る

▼ある協議会で委員に「いま、資料見ましたけど、わけが分からないですね」と聞くと、「やっぱり。私もそう思う」と、もう少し具体的な表現が出来ないかと質問してくれた。傍聴に来ている人は、自分の貴重な時間を割いて、自分たちのまちが、どうなるのか、期待と不安の眼差しで、協議を見つめている

▼なぜ合併するのか、と言えば「現状の住民サービスを維持すると、財政が破綻してしまう」という、危機的状況が根底にある。ある委員の「バラ色の合併ではない」という言葉に象徴されるように、しないよりは、した方がマシということか。合併に際しては、住民の意見を充分反映させる必要があるため、多くの市町村では、合併に関する住民投票条例などを設け、住民の判断を仰ぐ

▼市町村合併は、住民のための合併。住民ニーズの反映、意向の尊重は重要。でも判断を仰ぐ前に、判断するのに足る情報を、住民にもっとよく理解出来る形で提供しなければならないだろう。また多くの有権者に投票に行ってもらわなければ、投票率が低すぎるのでは、あまりにもさびしい。(さ・AO)

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