コラム

2004/03/12

求められる教師像とは・・(水・KK)

2004.03.12 【求められる教師像とは・・】

▼3月もこの時期になると高校や大学等の受験もほぼ終わった。合格発表と卒業式が真っ盛りのこの時期、新入学や新社会人として新たな一歩を踏み出す彼らに祝福とエールを送りたい

▼旧知のFさんは今春、茨城大学教育学部を卒業、4月から茨城県南地区の小学校に新任教諭として赴任する予定だ。少子化の影響で昨今は教師になるのは極めて難しい。茨城県の場合、教員採用試験は合格率わずか5%という狭き門で、講師として働きながら次のチャンスを待つ人もいるが、民間企業に職を求める人が大半だという

▼昔の先生は怖かった。かつて日本が近代化や高度経済成長を旗印に突き進んでいたころは権威による児童・生徒のコントロールが有効だった。年功序列、終身雇用があたりまえの時代は、子どもの側から見ても教師の権威に従うことはそれなりに合理的だった

▼近年の企業倒産の増加とリストラの嵐の中で学歴信仰は薄れ、学歴社会は終結に近い。勝ち組、負け組がはっきり分かれるといわれるこれからは成功の椅子は限られてくるのだろう。子どもは大人の想像以上に社会の変化に敏感なものだ。「いくら頑張ったところで・・・」最近の子どもの学力低下と学級崩壊も昨今の時代背景と無縁ではないだろう

▼価値観の多様化する今日、教師に求められるのは強い権威ではなく、高いコミュニケーション能力も一つだろう。教師は子どもにとっては親に次ぐ身近な大人であり、知識以外にもさまざまな影響を与える。そして子どもは大人の嘘や欺瞞をいとも簡単に見抜く。明るく誠実なFさんにはその笑顔と頑張りで子どもたちを導いて欲しい。(水・KK)

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