コラム

2004/03/26

おまけ玩具の魅力(水・KK)

2004.03.26 【おまけ玩具の魅力】

▼1999年9月に菓子メーカー、フルタ製菓が日本の動物コレクションとして発売したチョコエッグの大ヒットが火付け役となった食玩ブーム。おまけの域を超えたクオリティは大人をも夢中にさせる

▼94年には338億円だった食玩市場は2002年度には590億円にも達した。消費低迷のなかで7割以上という驚異的な伸びを記録している。鉄人28号や観音開きのトヨペットクラウン、白黒テレビなど昭和30年代の生活をリアルに再現したタイムスリップグリコなどは形式的には子どもを対象としながら現実には大人やコレクターをターゲットにしてヒットした

▼おまけの魅力は箱の中からどんなものが出てくるかわからないところにある。お目当てのものがあっても、それが出てくるとは限らない。欲しいものほどなかなか出てこないもので、今度こそと胸を躍らせる。子どもの頃、小遣いが尽きて駄菓子屋の前で大泣きしたことが昨日のことのようによみがえる

▼「全部集めたい」ー欲が昂じると本末転倒に陥り、時として虚しさを感じることもある。おまけは本来、付属物に過ぎないのに、それを手に入れるために本体を購入する。売り手側の術中にはまったとわかってはいるが、簡単にモノが買えなかった子ども時代の反動なのか箱ごと、棚ごとまとめ買いすることも

▼コレクションはあくまで個人の嗜好によるもので、他人の評価や市場価値などは無関係である。最近おまけ玩具までもが古本屋などで高値で取り引きされているのを見かけるがどうだろう。高くないものを自然な方法で集めるのがコレクションの王道ではないだろうか。(水・KK)

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