コラム

2004/04/02

道を閉ざさず発展へ(前・HM)

2004.04.02 【道を閉ざさず発展へ】

▼先日、さいたまスーパーアリーナでボクシングトリプルタイトルマッチを観戦した。3試合も見られてお得だと思っていたが、実際は大いに疲れてしまった。まわりの観客からも「肩が凝った」「3試合は多い」という声が上がっていた

▼ボクシング界は今、冬の時代と言われ、ゴールデンタイムで日本タイトルマッチが放送されたのは過去の話。世界戦ですら放送されない事もある。当然選手の知名度も下がり、1人の選手では客を集める事が出来ないため、今回のようなスタイルでの興業になるようだ

▼ボクシングがマイナーになりつつある要因の1つとして重量級の選手が極端に少ない、という事があげられる。派手なKOシーンが売りのK1が人気を集めているのに対して、ボクシングではミドル級より上はランキングも存在せず、完全に受け口を閉ざしている状態。その昔、体の小さな日本人が活躍するのは無理と判断されたため

▼しかし、ヘビー級並みの体格をした日本人格闘家が総合格闘技やK1などで活躍している姿を見るにつけ「ボクシング界でも重量級選手の育成をしてくれていれば」と思わずにいられない。体が大きく身体能力の高い選手がボクシング以外の道を選ばざるを得なかった結果がボクシング界の現況である

▼一方で、公共事業の重量級ともいえる大型事業も厳しいバッシングを受けている。選手育成と同様、短期間で成果が見えにくい所が誤解を招く要因だ。しかし都市間を結ぶ基幹道路などは将来的な利用価値を考えると必要性は高い。ボクシング重量級のように文字通り「道を閉ざしてしまう」といった事態は避けたい。(前・HM)

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