コラム

2004/04/13

子供の自由な発想(水・YH)

2004.04.13 【子供の自由な発想】

▼拙宅の庭に水仙の花が咲き誇っている。いつも予想だにしない庭の片隅からひっそりと芽を出してくる。その様は春の梅や桜等の華やかさと違ってささやかだが、生きることの力強さと驚きと喜びを感じる

▼そんな心地よい春霞の中で東京・恵比寿ガーデンプレイスの自動回転ドア事故、大阪・高槻市の回転遊具事故が相次いで発生した。子供達はいつだって自由な発想で、あらゆる物が遊びの対象になる。言い換えれば大人にとって予想外の行動をとる。天真爛漫に明るい様が子供達に求める一つの姿なのだが、近年の流れは逆方向だ

▼最近見かけない遊びにメンコ、缶けり、かくれんぼ、お医者さんごっこ、お巡りさんごっこもある。それぞれに役割分担、手製の道具で自らの力量や領域に合った遊びがあった。当然、鼻血を出したり、膝をすりむいたり、小刀で指をけがしたり等のケガは日常茶飯事。身をもって協調や共同、仕組み、小さく幼い世界だが組織や社会を学んだ

▼しかし事故の顛末はいつだって大人の勝手による。犠牲者は子供達やお年寄り等弱者だ。自動回転ドアは全国に500箇所近く設置され、近代化、合理化が垣間見える。しかし意外と不評なのだ。ところが子供達にとっては綺麗に飾った自動回転扉は動く遊具で格好の遊び道具

▼当然だが安全対策は充分なはず。それなのに何故。大人の経済観念優先の発想、親の過剰な「転ばぬ先の杖」も問題だ。弱者優先の公共施設、幼児期からの自由な遊戯環境の整備が求められる。子供には何も無い原っぱでも楽しく遊べる能力がある。公共事業という基盤整備で、こうし不安を払拭したい。(水・YH)

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