コラム

2004/04/24

捨て去ることが再生(さ・YW)

2004.04.24 【捨て去ることが再生】

▼「再生」というフレーズがさまざま場面、事柄で最近良く聞かれる。企業再生、業界再生、経済再生、都市再生、市街地再生、スポーツ選手の再生などがその代表的例ではないだろうか

▼先日、ある民放番組で主に企業の再生をテーマに特番を組んでいた。その中では小売業、政府の再生機構、スーパー業界等々それぞれのカリスマと呼ばれる方々が登場し、各様の持論と豊富な経験談を述べていた

▼曰く「再生とは、古い慣習、既存の商売方法にしがみついてスポ根魂で頑張ることではなく、古い駄目なことを捨て去ることから始まっている」と。「発想を展開し、足元を見つめ直し、駄目なものをすっぱりと止める勇気こそ重要であり、第一歩であるのだ」。また、ある方はこうも言っていた。「トップこそその勇気を持たねばならないと」

▼確かに既存の考え方を捨て去り、再生させることはまちづくりにも言える。それは、街なかの道路を拡幅し、有名な大型小売店を誘致し、車も人も呼び込み、都市型にしようとし、全国至る所で「○○銀座」なる商店街が存在した。そのように志向した時代があった。しかし、その志向こそ「古い志向」にさえなり、今ではシャッター街が多く存在しゴーストタウンにすら見えるところが実に多い

▼現在では、ブランド化した商店街の志向は古いと判断し、その考えから決別し、歴史や地域の観光資源を生かした商店街、昭和30年代の街並み再現などがむしろ「売り」にさえしている。こうした商店街活性化、しいてはまちづくりへと発展させている。今一度「捨て去るものは何か」再考すべき時が来たと言える。(さ・YW)

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