コラム

2004/04/27

「高齢者虐待」ということ(水・YH)

2004.04.27 【「高齢者虐待」ということ】

▼先般の日銀支店長会議報告によると「景気回復力にばらつきはあるものの地方景気は緩やかな回復にある」としている。さて財布の中身を見て実感出来ないのは筆者だけだろうか

▼多分専門化が多くのデータを元に分析しているのだろうから、明るい材料として前向きに歓迎したところだ。しかし世相は逆にますます暗くなっている。国の調査で「高齢者虐待」の実態が明らかになった。虐待者の32%が「息子」、21%が「嫁」という状況。加えて在宅介護支援の専門職9割が「対応は困難」と感じているという現実

▼虐待の種類は「心理的」64%、「介護・世話の放棄・放任」52%、「身体的」50%。そして生命に関わる事例は11%もある。ピアス著『悪魔の辞典』よると「親殺し」は子供が親に対して加える情けの一撃。これによって人の親たる者は、果たして自分は親であるか否かとまさぐる苦悩から解放されるーと。慰められているのだろうか

▼また曽野綾子さんは完本『戒老録(自らの救いのために)祥伝社』で老いを迎えようとする人(非老人と表現)を対象に多くの戒めを説いている。「身内の者になら何を言ってもいい、と思ってはいけない」、「慌てないこと。急がないこと」、「どのような処遇をうけようと・・・」、「徳のある年寄りになること」等々

▼昨今建設業界も一種のパッシング状態にある。「昔は良かった」との言葉が飛び交うが、それは一時の慰めにはなる言葉だが、なんら解決法にはならない。景気は回復基調という。ここは基幹産業としての誇りと自信を持って企業基盤を再構築し、逆境を越え民間事業等の増加に備えたい。(水・YH)

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