コラム

2004/05/29

「星の王子さま」(甲・TH)

2004.05.29 【星の王子さま】

▼今年の4月、「星の王子さま」の作者故サン=テグジュペリ氏が、第2次大戦中に搭乗し行方不明になった飛行機の残骸をフランス潜水調査チームが地中海マルセイユ沖の海底で発見した

▼同氏は、1944年7月31日、連合軍の偵察飛行のため、コルシカ島を飛び立ったまま消息を絶ってしまった。調査結果によると、海底で沈んでいる機体は、高速でほぼ垂直に墜落。プロペラに損傷もなく、敵の攻撃を受けたことを示す弾痕も残ってないため、墜落原因は永久に特定できないらしい

▼世界の様々な国で読まれている同氏の著書「星の王子さま」は、バラの花の言葉に心を傷つけられた王子さまが、自分の星を後にし、王さまの星、うぬぼれ男の星、お酒ばかり飲む呑み助の星、実業屋の星、点燈夫の星、地理学者の星、そして、最後に地球へ向かい、そこでサハラ砂漠の真ん中に不時着した飛行士と出会う。地球ではキツネやヘビと会い、目には見えない大切なものを見つけ、それを見つけた王子さまは、眠るように倒れ、自分の星へ還っていく話

▼同書を読むと、「大切にしていかなければならないものを感じ取り、それを生かせば、人は豊かになれる。しかし、様々なことに心を奪われ、大切なものがやがて見えなくなり、そのうち見ようともしなくなる」ことを我々自身に問い掛けているような気がする

▼登場するキツネの言葉で、「心で見ないと、物事はよく見えない。肝心なことは、目には見えないものだ」と言う一説がある。これは著者から、物質文明の中で生活している我々大人、あるいはこれから大人になる子供達への「警鐘」なのかもしれない。(甲・TH)

厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら