コラム

2004/05/07

藤田田氏の光と影(さ・YW)

2004.05.07 【藤田田氏の光と影】

▼日本マクナルドの創業者であり、日本の国にファストフード文化をもたらした伝説中の人物である「藤田氏」が死去した。藤田氏は言うまでもなくハンバーガーを日本に根付かせ、それを外食産業、ファストフード文化の発展に貢献した

▼筆者が初めてハンバーガーを食したのは確か小学生の時。当時住んでいた中野区のブロードウェイにあるマクドナルドで、3歳上の従姉に連れられてだった。コーラとフライドポテトはおいしかったが、まだハンバーガー自体は好きになれなかった記憶がある

▼ここでは藤田氏の経営で見せた改革の数々とその光と影の部分を改めて振り返ってみたい。改革では市街地に次々と出店させ、若者のファストフード文化を咲かせた。最近では低価格で勝負し価格破壊を起し、他業界に対しても波及現象をもたらした先駆者になった。消費者の生活に多少なりのゆとりをもたらした貢献者であった

▼と同時に価格破壊は長くは続かず、料金を戻したり経営理念が揺らぐなどの一面もあった。まさに文化を起こした光と、低価格がもたらした業績悪化という影、両面性をもたらしたと言える。これら一連の流れで解かるように立志伝中の人物でさえ現在の景気低迷は把握しづらく、厳しいと想像できるのではないか

▼「経営はカネ」とする氏の死去はある意味で戦後の大繁栄の右肩上がりのシンプルな時代の象徴の終焉を意味するのではないだろうか。昨今の経営は複雑極まりない経済の中を泳がなければならない。しかし氏が庶民の生活に根付かせた文化は永遠である。ファストフード文化の先駆者に「お疲れ様でした」と言いたい。(さ・YW)

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