コラム

2004/05/11

歯止めがかからない少子化(水・YH)

2004.05.11 【歯止めがかからない少子化】

▼そう言えば、五月晴れ、新緑に映え、薫風の中でダイナミックに泳ぐ鯉のぼりの数が著しく少ない。子供の日と言っても元気な遊び声が聞こえない。新小学一年生のまだ馴染まないランドセル姿が少ない

▼総務省がこのほど発表した子供(15歳未満)の数は昨年より20万人少ない1781万人。男913万人、女868万人の内訳。23年連続で減少し続けている。総人口に占める割合は前年比0・2ポイント減で過去最低の13・9%。昭和25年の35・4%がピークとなっている

▼都道府県の現況は最も多いのは沖縄県で19・0%、次いで滋賀県15・7%。逆に少ないのは東京都12・0%、秋田県12・7%の順。今後の推移では2009年13・5%、2014年12・9%と減少の一途をたどると予想。因みに各国の状況はアメリカ21・0%、イギリス18・6%、中国22・4%、韓国20・6%等

▼少子化対策はもっか国レベルで教育や労働条件等色々な現場で深刻に議論されている。しかし抜本策には至っていない。女性の未婚率は適齢期(20〜29歳)で50%、男性も70%を超えている。結婚しても子育てを楽しいと感じるのは40%、辛いとするのも40%である。若い世代特に女性の生き方が変わってきたのだ。加えて将来への不安を払拭できない

▼少子化に起因した年金法改正。将来に不安がない政治家は「未納」と平然としている。そんな欺瞞に満ちた政治に頼れないのは自然な成り行き。山上憶良は万葉集で「銀も金も玉も何せむに勝れる宝子にしかめやも」と詠んだ。今や宝は「金」そのもの。そうした世相のなかで弱者・国民特に若者の生き方の選択肢は限られる。(水・YH)

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