コラム

2004/05/27

補助金のあり方(さ・YW)

2004.05.27 【補助金のあり方】

▼中央官庁から内示される事業別の補助金について改めて大きな問題点が浮き彫りになった。そもそも時代の流れは個別の事業別補助金、俗に「ひもつき補助金」と言われ中央の規格を地方に押し付けと言われ問題になっている

▼具体的には埼玉県のある社会福祉施設整備で当初は複数の補助を見込んでいたが、今年度になりなんと「埼玉県枠は1施設だけでした」と回答があり、各設置者は当てが外れどのように資金を調達するのか苦慮している。15年度の段階で「そんなに多くの申請は遠慮して欲しい」と言うべきではなかったのか。厚生労働省の対応には疑問すら感じられる

▼何も社会福祉施設の補助だけではない。恐らく今後各省庁で同様なことがあるだろう。これは巷間言われる個別補助金に問題がある。今さら説明は必要ないのかもしれないが、改めて統合補助金の拡大、むしろ各省庁すべて統合補助金とし、都道府県の選択裁量に委ねるべきではないか

▼都市施設整備、社会福祉施設整備などの統合補助金とし、何をするかは各地方がそれぞれ優先順位を決めて選択できるようにすることが望ましい。以前、今年知事を辞めた平松・大分県知事の講演を聞いた。平松氏は当時の通産省出身でエリート官僚。しかし、指摘した発言が奮っていた。「一斉に全県が霞ヶ関への陳情もうで1年間止めると良い」、「寂しくなり困るのが彼らだ」と

▼そもそも霞ヶ関から出た「21世紀は地方の時代」と言われて久しい。地域住民の本当の意向を把握し少ない財源の中から選択することが問われるわけだ。そのためにも統合補助金への一元化は不可欠と思われる。(さ・YW)

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