コラム

2004/06/12

品質確保を追求(さ・YW)

2004.06.12 【品質確保を追求】

▼先日、パリのシャルルドゴール空港でEホールが落下し6人が亡くなった。果たしてこれは落下しただけの問題だろうか。人としての道徳部分、国民性にまで発展するのでないか

▼シャルルドゴール空港は別名、地名をとってロワシー空港とも呼ぶ。宇宙空間をイメージした円形のホールが連接していることが特徴。今回はEホールが舞台になったが、昨年筆者はFホールに降り立ちDホールに移動した。Dホールのリスボン行きのゲートに並んだ

▼そもそも今回落下したEホールは昨年4月オープン予定だったのが6月末にずれこみ、なおかつ検査日には天井照明がはがれたなどとケチがついている。職員組合が言うには「工期に無理やり間に合わせるため」と平気で警察や運輸省などに話していると言う

▼この言葉には、欧州では工期や業務などは守らないことがしばしばあるとの予備知識がある人にとってもまたもや驚かざるをえない。「フランダースの犬」の最終回でアントワープの教会に飾ってある「キリストの降下」を見て、ネロとパトラッシュが死んでいく場面には誰もが涙した。その教会の改修工事の業者になぜ工期が延びているのか聞くと、そんなに仕事するよりもマイペースを守ることが楽しい。発注者も催促しないとのことらしい

▼わが国では工期に限らず契約社会の最低のルールは守る。生真面目と言うよりもそれが最低のルールとなっている。ところが、急がせたから品質は守れず、落下し死者を出したと主張する。国民性は否定しないが、公共事業の元で最低のルール厳守はどの国でも当てはまることではないだろうか。(さ・YW)

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