コラム

2004/06/17

歌志内に行きたい(前・HI)

2004.06.17 【歌志内に行きたい】

▼一時、お金が貯まると即北海道に飛んだことがある。周りの人には目的を「観光」と言ったが、実際は仕事で行き詰まった時など、気付くと新千歳行きの飛行機の中だった。それ程習慣化していた

▼北海道は、道央・道南・道東・道北に大別することができる。それぞれ異なった特徴と魅力がある。筆者はその中でも道北を好んで訪れた。天塩川の雄大な流れ、サロベツ原野のある豊富町から眺める利尻富士は、まるで富士山が海に浮かんだような絶景だ。その中でも夕日に染まった利尻冨士は、私の心象風景の一つになっている

▼先日、逆境を生き抜く会社人間たちの今を描いた『サラリーマンと呼ばないで』(光文社刊)を読んだ。その中で、北海道の炭鉱の街・歌志内で働く人の話があった。国のエネルギー政策転換で、斜陽化した石炭産業だが、ある会社が生き残りをかけて新規分野に進出する。それは、ガラス加工、そば・ブドウ栽培にまで及ぶが、本業と全く関係のない事業はなかなか軌道に乗らない。その中で唯一、地鶏の飼育が成功する

▼歌志内の人口は、5653人(4月末現在)。昭和23年のピーク時には4万6000人を数えたという。この激減は、歌志内が空知炭鉱を中心とした炭鉱の街だったために、一つの産業の斜陽化により街から大量の雇用を奪ってしまったことにある

▼新分野への進出は、建設業にとっても身近な課題となっており、地鶏事業に成功した企業の動向は気になるところ。また歌志内市では、スイス調の景観づくりに取り組むなど、新たな街づくりに取り組んでいるということで、今度は歌志内市に行ってみたくなった。(前・HI)

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