コラム

2004/06/29

防災力・平均43・5点(水・YH)

2004.06.29 【防災力・平均43・5点】

▼梅雨空に色づいた紫陽花、角をのぞかせたカタツムリ。調和のとれた穏やかな風景だ。それぞれが程々の環境で活かされる。記録破りの猛暑が続き、作物への影響も懸念されたが適度に雨も欲しい

▼今年は台風の当たり年のようだ。今月21日四国地方に上陸し近畿から日本海に抜けた台風6号。日本列島にこの時期にしては死者・不明5人、重軽傷者87人という記録的な被害をもたらした。災害は意外と「喉元過ぎれば」、「対岸の火事」。人の世の常で、すぐ忘れがちなのだが

▼総務省消防庁が「防災力」にたいする都道府県の自己評価点数を公表した。地震・風水害等自然災害、原子力事故、テロ等に対する「防災力・危機管理能力」について800項目にのぼる自己採点だ。100点満点で全国平均が43・5点という驚きの数字。1位は東京都で69・4点、2位埼玉県69・1点、3位石川県66・5点

▼最下位は群馬県の25・7点、次いで北海道26・9点。採点は自己採点によるため、採点者の認識の度合いによっても差異は出てくる。しかし採点項目の整備状況に対する数字はお役所が最も的確に把握しているものだ。だとすると信憑性がある。季節的にはこれからが自然災害の増える時期。何とも恐ろしい防災環境ということになる

▼そのお粗末さを自ら認めているにもかかわらず防災予算(公共事業費)等は後回しといった現状。「安心して住めるまちづくり」は何処でも見かけるキャッチフレーズ。どこに安心できる客観的で説得力のある数字があるのか。足下の地盤が緩んできている。参院選もたけなわ。真摯に「安心」を提供出来る人を選びたい。(水・YH)

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