コラム

2004/07/01

主権在民の回帰を(さ・YW)

2004.07.01 【主権在民の回帰を】

▼日本国憲法の中で最も重要な項目の一つに「国民主権」がある。第1条に規定され、「国家の政治のあり方を最終的に決定する力」と、中学時代に学んだ。しかし、今こそその国民主権の自覚が求められている時ではなかろうか

▼韓国映画の話題作「シルミド」でも国民主権のことを強く感じた。シルミドは隣国の最高権力者を暗殺するために特別に訓練された秘密部隊を描いた映画である。しかし、役割が終わったと同時に時の政権者は、彼らを亡き者にし、クーデター的扱いとし、歴史上から抹殺したという史実に基づくノンフィクションである。この映画が問い掛けているのは、例えどのような理由があろうとも、どのような権力者であろうとも下々の国民を国家の犠牲にしてはいけないということだ

▼何も韓国だけではない。我が国でもそのような風潮になってはいまいか。深夜国会で法案が成立した年金法案では、国民負担が増え、法律を審議し提出した国会議員自らの議員年金はまったく手つかずだからだ。国民年金の制度云々や運用が分かりにくいと言う前に自ら襟を正すことこそ筋ではないか

▼国民主権の中でも最も基本となるのは地域、自治体単位であろう。長野県泰阜村は小さい村ながらもどこよりも手厚い介護と福祉事業をこれからも実施し村民を守るため、合併を拒否しその独自性が話題になっている

▼江戸時代は藩の圧制に対抗するために一揆などが頻発した。しかし現代はそこまで命がけでなくても、投票という民主的な方法で権力者に訴えることができる。肩書きと権力のある者が偉いのではなく国民こそ主権なのである。(さ・YW)

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