コラム

2004/07/06

外来語の言い換え(水・YH)

2004.07.06 【外来語の言い換え】

▼3月の日銀短観によると7年4か月振りにプラスに転じたという。当然業種間や企業によって差異はあるだろうが、おしなべて周囲を見渡した限りでは実感が湧かないのだが

▼日銀短観やお役所の発表する文書さらにはIT関連には、余りにも横文字をカタカナで表現する文章が多い。いわゆる「外来語」だが、このほど国立国語研究所「外来語」委員会がより理解しやすくするため、65語について言い換え語の案を決めた。今後広く国民の意見を聞いて、8月末までに最終案を決めるというものだ

▼充分に在来の日本語で表現は可能なのだが、外来語を使うことが一つのステイタスとなっている近年の風潮、傾向を完全に払拭するには時間がかかるだろう。例えば理解度の高い順に例を挙げると「ドメスティックバイオレンス」(理解度48・0%)は「配偶者間暴力」、「ツール」(同40・9%)は「道具」、「フロンティア」(40・7%)は「新分野」

▼身近で以外と正しく理解されにくい「セーフガード」は「緊急輸入制限」に、「イニシアチブは「主導・主権」、「プレゼンス」は「存在感」。また理解度が低い「アカウンタビリティ」(理解度4・4%)は「説明責任」。「コンファレンス」は「会議」と。最近よく耳にするのが「パブリックコメント」だが「意見公募」としている

▼建設業界でも横文字が多く使われるようになった。工法や略語などは言い換えは困難なのだろうが、日本語の軽妙な言い回しは世界に例の無いほど多いのが特徴。これは高い文化、知性から来るものだといわれる。しかし意外と身近で率直な日本語の方が意志の疎通がはかれるものだ。(水・YH)

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